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平成13年12月の一般質問

 市民クラブの中道です。通告に基づき市政一般質問を行います。題目は「市民による市町村合併協議会・設置請求・署名活動の評価を問う」と、「財政改革と中期財政計画は市民サービスのベンチマークを示せ」の2つです。まず初めに、「市民による市町村合併協議会・設置請求・署名活動の評価を問う」についてお尋ねします。

 市町村合併に対する市長の姿勢は、一貫して消極的であります。それは過去の市議会で、「今の多治見市の大きさがまちづくりに適したサイズであり、合併は住民の意識醸成を見てから考えたい」と答弁しておられることからも明らかであります。

 

 私は6月議会において、「住民の意識醸成は市から情報を提供しないと出て来ないではないか」と質問しましたが、市長は「合併の相手が決まらないとメリット・ディメリットが分らないので住民に提供する資料は作れない」と答弁されました。では、「笠原町との合併はどうか」と質問すると、今度は「多治見市から言い出すと吸収合併になるので、こちらからは言い出せない」と答弁されています。

 さらに、合併協議会を設置するのかとの質問には、「住民発議が行われた時点で検討する」と答弁されたため、「住民発議を行う仕組みを市民に知らせたのか」と質問したところ、「住民の意識醸成を待ちたいとの考えから、そのような情報提供は行っていない」と答弁されました。 

以上のように、西寺市長は徹頭徹尾、市町村合併に対し消極的でありました。しかし、国家的政策である市町村合併に関する市民への情報提供までも拒否されますと、西寺市長は合併に反対であると見なさざるを得ません。

ちなみに、瑞浪市は高嶋市長の命により、今年の6月に、16名の若手職員からなる市町村合併・庁内研究会を立ち上げ、8月には「市町村合併に関する研究」の中間報告書を取りまとめ、公表しています。また、中津川・恵那広域行政・事務組合は、調査を財団法人・地域問題研究所に委託し、この10月1日に、「ひがし美濃地域・合併に関する調査・中間報告書」を取りまとめ、公表しています。さらに、加茂地域では、同じコンサルタントが作成した加茂地域での合併資料を、11月8日に開催された「加茂地域・市町村議会・議員研修会」で公表されています。

つまり、この東濃地方で合併の資料を作成していないのは、東濃西部広域行政・事務組合と多治見市、土岐市、笠原町だけであります。このような消極的な多治見市の姿勢に業を煮やした市民は、ついに岐阜県下では初めての、住民発議による市町村合併・協議会・設置請求の署名活動を開始しました。

ご承知のように「合併特例法」によって規定された「住民発議による署名活動」は、成立に必要な数が有権者の50分の1以上と、さほど多くはありません。しかし、この署名活動には一般の街頭署名とは異なり、1ヶ月以内に自筆による署名と押印が必要であり、しかも代筆が認められないという極めて厳しい制約条件があります。

 このため住民は期間内に必要な署名を集めるために133名の活動者を動員し、1ヶ月間精力的に活動を行いました。活動は11月6日から開始され12月5日に終了しましたが、法律に定められた必要な数の1,635名の約2倍以上に相当する3,557名の署名が集まりました。集まった署名簿は昨日、選挙管理委員会に提出されました。署名活動を行った活動者の話によれば、市民は活動者が署名を求めに来るのを待っており、市は何故合併に関する情報を市民に知らせないのか、という声が多かった、ということでありました。

 また、署名活動と相呼応するように、12月1日には、東濃3市1町の住民有志が主催する合併シンポジュームが土岐市で開催され、さらに、12月4日には、24名の議員有志による「多治見市議会・合併促進・調査研究・同志会」が発足いたしました。そして、笠原町でも、12月5日に町議会の研究会が発足したそうであります。

 これらの一連の活動は、行政が指導したものではなく、全て住民が手弁当で自発的に行ったものであります。これを「住民の意識醸成が高まった」と言わずして、何と表現すれば良いのでしょうか。そこで、最初の質問を行います。西寺市長は今回の住民署名活動をどのように評価しておられるのでしょうか。

次に、市民は市町村合併に関する情報を求めています。私が6月議会で資料の作成を求めたにもかかわらず、市は資料作成の委託業務をこの11月に発注されています。その結果、合併の資料作成は、先に述べましたように瑞浪市や中津川・恵那広域行政・事務組合や加茂広域行政・事務組合よりも約半年が遅れました。今の状況で推移しますと、多治見市の資料が完成するのは来年の3月になりそうです。

合併特例法は平成17年3月31日で効力を失います。つまり合併の期限まであと3年と3ヶ月しかありません。合併の事務的な手続きに3年弱必要であることを考えると、この半年間を無為に過ごしたことは、極めて大きなマイナスであります。そこで、お尋ねいたします。

合併資料の作成が他市よりも遅れた理由は何なのでしょうか。

 次に、合併を進めるに当って対象とする市をどこにするのかは、大変大きな課題であります。合併のパターンを3市1町とするのか、それともより現実的な1市1町とするのか、はたまた理想的な4市3町とするのかは、検討資料がないために、多治見市議会でも基本的な合意を得るための議論はなされていません。

 また、住民発議による合併協議会・設置請求・署名活動は、判断すべき資料がないために理想的な合併パターンで、市民の合意が得られ易く、補足率の高い4市3町を合併の対象自治体になっています。そこで、3つ目にお尋ねいたしますが、市長は合併の対象自治体はどこが良いと考えておられるのでしょうか。

 次に、今回の署名活動によって、残る3市3町の首長が全て合併協議会の設置を議会に付議すると答申して頂ければ良いのでありますが、現状では、様々な理由により難しいと予測されます。しかし、いくつかの自治体は、多治見市と合併したいと意思表明する可能性があります。今朝の新聞報道によれば、昨日、塚本・土岐市長は、市議会の全員協議会の席上で、この署名活動に呼応し合併協議会の設置を議会に付議すると表明されました。

 また、首長が意思表明しない場合でも、住民が再度署名活動を、しかし今度は合併特例法の4条の2を使った住民発議の署名活動を行う可能性があります。つまり、合併対象自治体をより現実的な自治体に絞り、相手自治体の住民と連帯して同時に複数以上の自治体で署名活動を行う可能性があります。この場合は首長の判断が必要なく、署名が成立すると同時に合併協議会設置が議会に付議されます。

 しかしながら、合併協議会の設置が遅れ、合併特例法の期限に間に合わないと、合併の意義が薄れます。そこで、合併協議会に関する質問を3つ行います。

@ 合併特例法の期限から見て、合併協議会設置のタイムリミットはいつなのでしょうか。

A 今回の署名活動に他の首長が同意された場合、合併協議会の設置は、いつ頃議会に付議される予定なのでしょうか。

B また、合併協議会設置における障害には、どのようなものがあるのでしょうか。

 

 次に、市町村合併は地方分権時代のまちづくりのための、1つの大きな手法でありますが、国家財政の見地から、総務省が進めるように国家的政策でもあります。もちろん、まちづくりは住民自らの手で行うものであり、市町村合併も住民自らの手で行うものであります。

しかしながら、住民は国家財政も市の財政も熟知している訳ではありません。さらに、まちづくりに関しても、5次総・策定の際に見られたように、多治見市の現状が類団や岐阜県下の他市に比較して、どのような位置にあるのかを、住民は知らされていません。つまり、住民は市町村合併に関する情報を何も持っていないのであります。

このような状態で、市長が言うように「住民の意識醸成を待つ」ことは、住民に対する行政の怠慢に他ならず、無から有を生み出せと言うのに等しいものです。また、そのことは行政が国家的政策の遂行という面と、まちづくりのための1つの大きな選択肢を住民に与えないという意味で無責任であり、将来への禍根を残すばかりでなく、批難は免れないと考えます。そこで、お尋ねいたします。

県は合併に関し多治見市にどのような指導と助言を行ったのでしょうか。また、市長は合併に関し今日までどのような活動を行って来られたのでしょうか。

 

 

 

次に、大きく2つ目の質問を行います。題名は「財政改革指針と中期財政計画は市民サービスのベンチマークを示せ」であります。

執行部は9月20日に多治見市・財政改革指針(以下、単に指針と呼びます)と,平成14年から18年に至る5ヵ年の中期財政計画(以下、単に計画と呼びます)を策定し,公表されました。質問は、最初に指針と計画に対する策定方針について行います。

財政問題を考える時、2つの視点が必要です。1つは、市民サービスをどのように維持・向上させるのか、という視点。もう1つは、財政をどのように運営しコントロールするのか、という視点です。最初に、市民サービスについて述べます。

市民本位で財政問題を考えた時、まず、どのようなまちを望むのか。次に、そのためには何をどのように整備するのか。そして、それは現状でどこまで整備されているのか。次に、目標まで整備するのに何が残されているのか。また、残されたものを整備するのに、どれぐらいの費用と時間が掛るのか。そして、それは現在の財政状態と与えられた期間内で実現可能なのか。さらに、市の体力から見て手に余るものは何か。手に余るものは期間を延長することが出来ないのか。延長するならば、先に実施しなければならないものは何かなど、市民サービスの優先順位を考慮しながら立案するのが基本だと思います。

もちろん顧客本位の民間企業も、全てそのように財政計画を立案します。しかるに、この度公表された指針と計画は、そのような視点に立って立案されたとは、とても思えません。つまり、この度の指針と計画は、市民サービスをどのように維持向上させるのか、という視点がスッポリと抜け落ちています。

例えば、指針の中にある「財政改革指針の目標値」を見ても、市民サービスに関する事柄は「真に必要な事務事業を優先順位付けしながら進めることとする」とたった1行しか記述していませんし、優先順位の基準や根拠も記載されていません。後は全て執行部側の内部事情が記述されています。

 指針の中の「個別内容」を見ても、5項目の内の1項目で、事務事業の見直しを掲げてはいますが、委託化の検討や外郭団体の自立化、及び事業のスクラップ・アンド・ビルドなどの項目が記載されているだけで、市民サービスの何を、どのレベルまで引き上げる、と言った視点や記述は一切認められません。つまり、ベンチマークは一切示されていません。

 先ほどの合併の所でも述べましたように、多治見市の市民サービスの現状が、類団や県下の他市に比べて、どのような位置にあるのか、などの最も基本的な事柄すら、住民には知らされていません。

例えば、5次総の市民意向調査で最も要望の多かった交通渋滞を解消するために、多治見市の道路密度や道路改良率、道路混雑度や交差点飽和度、及び狭隘道路占有率などが、現在どの水準にあり、全国平均や類団、及び県下の他市に比べて、どのような位置にあり、将来どのレベルまで引き上げるのか、といった視点や記述は一切ありません。早急に市民に対してベンチマークを示して欲しいものです。

 仮に、百歩譲ったとしても、国が実施している事務事業の全てのメニューを市民に知らせず、執行部が恣意的に選出した事務事業を実施する、とだけ記述しただけでは、市民に対し、大切な税金を使用する説明責任を果たしているとは、とても思えません。

ここで、財政問題を考える際のもう1つの視点について述べます。財政をどのように運営しコントロールするのか、という視点であります。今回の指針と計画はこの視点のみが記述されています。それが財政課の仕事だからでありますが、しかし、そこには市民の姿がありません。

 一般的に見て、多治見市の財政は財政規模が小さいという特徴があります。確かに、執行部は財政緊急事態宣言を発して以来、人件費や経費の縮減に最大限の努力を傾注して来られました。その結果、経常収支比率が70%台に乗るなどの好転が認められ、この度、緊急事態宣言を解除されました。その縮減の努力は評価いたします。しかし、財政規模を大きくする努力は、過去にほとんど認められません。

 この度の指針では、歳入増加として、収納率の向上、使用料・手数料の見直し、及び新たな財源の検討や私有財産の有効利用などが記載されていますが、いずれも具体性と実現性に乏しく、真剣に検討された形跡が認められません。

 結果として、この度の指針と計画は、他の部署からの事務事業と予算を集めて束にしたものに、いくつかのコントロールポイントと留意事項を記載したものであり、そこには市民サービスの維持向上や財政規模の拡大という視点は、残念ながら認められません。そのような観点から、いくつかの質問を行います。

 まず、指針と計画の策定方針について、4点質問します。

@ 財政計画は特定された市民サービスの水準、すなわちベンチマークによって統治されているのでしょうか。

A 基本的に市民サービスの水準を支配する要員には、どのようなものがあるのでしょうか。

B 市民サービスを維持向上させるための効果的な施策には、どのようなものがあるのでしょうか。

C 多治見市は県下の他市に比べて、財政力指数が比較的高いにもかかわらず財政規模が小さいという特徴があります。何故、財政規模が小さく、市民サービスが少ないのでしょうか。

 次に、財政改革指針について、2点質問します。

@ 事務事業の見直しは具体的に、いつ頃、何を行うのでしょうか。

A 歳入の増加策は具体的に、いつ頃、何を行うのでしょうか。

 最後に、中期財政計画について、5点質問を行います。

@ 平成18年、つまり5年後の一般会計予算の規模は、現在より約50億円少ない250億円台と推計しています。これは市民サービスが低下することを意味しているのでしょうか。

A その場合、減少する市民サービスには、どのようなものがあるのでしょうか。また、そのための対策には、どのようなものを考えておられるのでしょうか。

B 計画は経済成長率が0%で推移することを前提条件に推計しています。昨今の経済状況はマイナス成長を報じています。また、多くの民間企業は、従業員に対し給与のダウンか、それとも早期の退職か、の二者択一を迫っています。このような情勢の下で、ひとり市役所のみの人件費が毎年2.28%上昇することを前提に推計することは、はたして妥当なのでしょうか。また、この事に市民の合意が得られるのでしょうか。

C 今回の決算報告のバランス・シートで、市職員の退職給与引当金が約59億円あることが判明致しました。もちろん、この退職給与引当金がすぐに必要になることはありませんが、一般会計の約5分の1にも相当する退職給与引当金は、はたして妥当なのでしょうか。この退職給与引当金を縮減する施策は、本当にないのでしょうか。

D 先に述べましたように、5年後に一般会計の規模が約50億円少なくなります。そういたしますと、市民サービスを低下させない限り、財政は破綻します。その場合、再度、財政緊急事態宣言を発令される予定なのでしょうか。

以上で、1回目の質問を終わります。


 

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