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‘02年6月議会の討論

1.提出議案に対する討論

 市民クラブの中道です。会派を代表して討論を行います。討論は2つあります。1つ目は、議第63号 東濃西部合併協議会の設置については賛成討論を、2つ目は、請第1号 有事関連3法案を廃案にする意見書の採択を求める請願書については反対討論を行います。

 最初に、議第63号 東濃西部合併協議会の設置に対する賛成討論を行います。ご承知の通り、多治見市は他の都市に比べて都市基盤の整備が遅れており、また市の基幹産業である陶磁器産業は凋落の一途をたどり疲弊しています。このため、市民の活動が他市に比べて制約されており、市民の雇用条件がますます劣悪になると同時に、市税の減収により行政サービスの減少と質の低下が懸念されています。 このような現状に鑑み、私は東濃西部地域に共通な地場産業である陶磁器産業を軸として、産業の再構築とそれを保障する都市基盤の整備を行うべく、合併協議会の設置を、一貫して主張してきました。その主張に呼応するように、昨年の11月には、4市3町の合併協議会の設置を求める署名活動が行われ、12月には約3,500名の署名をもって、住民発議による合併協議会の設置請求が行われました。 この住民発議の合併協議会設置請求は、対象となった4市3町の首長に対し、合併の是非と合併の枠組みの決断を迫る絶好の機会となりました。その結果、発議をされた住民が望む4市3町の合併協議会の設置は実現しませんでしたが、この度、3市1町の合併協議会の設置ができる見通しとなりました。 執行部が提案された3市1町の合併協議会の設置は、それぞれの市町の歴史や過去のしがらみ、及び都市基盤の整備状況、行政サービス、財政状態の違いなどにより、困難を伴ったものと推察いたします。議案を提出するためにご努力された関係者に対し、感謝を申し上げますと共に、敬意を表わす次第であります。 今回、設置されます合併協議会が、多治見市民と東濃西部の22万住民にとって、雇用の確保と自由闊達な活動を保障し、有意義で子孫に誇れるまちづくりを保障するものになるよう祈念し、議第63号に対する、私の賛成討論と致します。

次に、請第1号 有事関連3法案を廃案にする意見書の採択を求める請願書に対する反対討論を行います。 この度の請願書に対し、1,201名の市民の皆様が署名されたことは、憲法前文の「政府の行為によって、再び戦争の惨禍が起こることのないよう」に希求された行為として、私は高く評価し、かつ重く受け止めています。また署名活動に参加し取り纏められた市民の皆様に敬意を表わすものであります。 しかしながら、私どもは政府が国会に提出した有事関連三法案に対して、即、廃案にするという意見には同意いたしかねます。何故ならば、憲法は自衛権までも放棄しておらず、かつ有事における法整備は必要である、と考えるからであります。 本来、国家には非常時においても、法による秩序を維持するために、国家緊急権というものが国際的に認められています。この考えに基づき、有事における法の整備はシビリアンコントロール、いわゆる文民統制の確保という面で必要であります。何故ならば、有事における法の整備がなければ、時の首相やいわゆる制服組によって、超法規的な措置が取られかねないからであります。

しかしながら、この度の有事関連三法案には、次に述べる7つの大きな問題点があります。

@ 武力攻撃事態の定義付けが不明確であること。

A 武力攻撃事態と治安維持事態の区分が不明確であること。

B 武力攻撃事態を終結させるための措置が不明確であること。

C 国民の基本的人権に制約が課せられること。

D 地方公共団体への役割が不明確であること。

E 国民の協力範囲が不明確であること。

F 最も大切な国民の生命と財産の保護に関する法の整備が先送りされていること、の7つであります。

 したがって、私は今回の請第1号に対し、単に反対するのではなく、以上の問題点を指摘しつつ、有事関連三法案の慎重なる審議と、廃案をも視野に入れて、修正等を求めた意見書を、政府と国会に対し発する決意であります。以上の決意を表明し、請第1号に対する私の討論とさせていただきます。


2.意見書に対する討論

それでは、市民クラブを代表して、発議第19号 有事関連三法案の慎重審議及び修正等を求める意見書に対し、賛成の討論を行います。

 私が先ほどの請第1号の反対討論で述べましたように、この度の有事関連3法案は法案としての熟度が低く、かなり問題の多い法案であります。再度、詳しくは述べませんが、少なくとも7つの大きな問題点があると考えています。

このため、私ども市民クラブは、法案の慎重審議を行いつつ、修正すべき所は修正し、それでもなお問題が残る場合は廃案をも視野に入れて、発議第19号 有事関連三法案の慎重審議及び修正等を求める意見書に賛成いたします。

以上で、私の討論を終わります。

 

 
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