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市民活動交流支援センター設置条例・賛成討論

 市民クラブの中道です。私は会派を代表し、総務常任委員会・委員長からご提案のありました議第89号「多治見市市民活動交流支援センターの設置及び管理に関する条例」の修正案に対する賛成の討論を行います。 この種の条例はないよりもあった方が良いことに異論はありません。しかしながら、執行部からご提案のありました当初の議案は、次のような多くの問題点がありました。

@ 「市民活動」に対する多治見市の基本方針や「市民活動そのもの」の定義がないため、「市民活動」に利用する施設の内容も曖昧であります。このため公民館や地域の集会所の役割と、どこが異なるのか不明であります。つまり、本施設はボランティア初心者への総合窓口としての役割なのか、それとも既に活動実績のある団体に対する支援施設なのかが不明であります。限られた狭いスペースの中で両方の役割を機能させることは困難であり、両方の役割を機能させようとすると、いずれも中途半端な施設となり、両方が機能しなくなるのではないかと懸念します。

A 本施設は市民活動を活性化し支援する施設であるのもかかわらず、利用制限を詳細に記述したことによって、市民が利用し難いものになっています。ですから、条例はその目的を明記すると共に、市民が使いやすいものにする必要があります。この点は総務常任委員会の委員長が修正されたことによって、問題が大幅に軽減されました。

B 次に、スペースの約半分を会議室にし、その利用料金を安くすることは大変結構ではありますが、反面会議室を1000円で10時間占拠できる状況も生まれます。この状況は他のボランティアの参加や活動を阻害する恐れがあり、そのことが本条例の主旨に適うのかが、はなはだ疑問であります。

C 施設の維持管理に年間900万円が必要で、そのうちの400万円は人件費です。本施設はボランティアが利用するものであり、その基本的な精神は自分たちのことは自分たちで行うことが原則のはずであります。ですので、まずボランティアで維持管理する人を公募し、応募が無ければ既存のボランティア団体に相談する。それでも委託先が見つからない場合に、初めて人件費を掛けて委託先を探すというのが順序ではないでしょうか。事前に殆ど努力がなされずTMOに委託されるやり方は、到底市民の理解が得られるとは思えません。

D 本施設と同様な趣旨の施設が社会福祉協議会の建物の中にあります。本施設と社協の施設との役割分担や、社協及び施設利用者であるボランティア連絡協議会との話し合いの内容が良く分かりません。少なくとも、事前にこれらの団体に対し、十分なる理解の上に了解を取り付けられたとは思われません。今後、協議されることを望みます。

E 結論として、本条例は市民活動を保障するために制定されるはずですが、広範な市民の意見や希望を取り入れる手続きが取られていません。そして、本来、市民活動のあり方を決めてから必要な施設を作るのが順序でありますが、本施設はまず箱物と委託先が先にあって、後から条例でそれらの理由付けを行っているような印象を受けます。施設はないよりもあった方が良いのですが、財政が逼迫している折、費用対効果を考えると、本施設が本当に必要かどうかが疑問になります。

 以上の問題点を指摘しつつ、今後運用面で改善されることを要望し、私の賛成討論といたします。

 

 
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