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平成14年11月15日

主要施策論点に対する検討結果

1. 合併記念事業

 合併のモチベーション(動機)を住民が周知し、かつ後世に伝えるために、住民の目に触れる形で残すべきだ。ただし、この事業のために多大な経費を掛けるべきではない。

2. 都市基盤づくり

@ 合併は人心一新と合併特例債によって、都市基盤を整備するラスト・チャンスと捉える。

A 新市の都市計画は、土地を有効に活用するため、緑豊かな郊外の戸建住宅街と便利で快適な高層集合住宅街(中心市街地)に区分し、その間の交通網を整備する。

B 道路交通網は、基準や規格を作成して通過交通道路と生活道路を区分し、通過車を市内に流入させないように計画する。

C 土地区画整理によって、狭隘道路と密集住宅を解消する。

D 住宅は少なくとも国が定める誘導居住水準まで引き上げる。

3. 合併目的の遂行

 3市1町合併の大きな目的は基本的に次のように考える。

@ 3市1町の特徴は、地場産業である陶磁器関連事業所が法人数と従業員数において他の業種を圧倒する。しかし、その労働生産性が低いため、法人からの税収が少なく従業者の所得水準も低い。住民1人当たりの税収は岐阜県内で最も低いため、各自治体の財政力指数は他の類似団体都市に比べて低い。3市1町の財政基盤は脆弱である。現在各自治体は国の地方交付税により辛うじて財政を維持しているが、今後地方交付税が削減されることは確実であり、このままでは現在の行政サービスを維持提供することは不可能である。そこで、合併により地方交付税が削減されないこの10年間に、経済を活性化させ、財政力指数を高めて地方交付税に頼らず自立できる自治体を早急に確立する必要がある。

A 財政力を高め財政規模を大きくすることが出来れば、地方分権時代に対応した様々な行政サービスや供給量を拡大することができ、住民が享受することが可能となる。

B 各自治体の財政力を高めるためには、地場産業の陶磁器関連産業を新しい戦略で再構築する方法と、付加価値の高い新産業を誘致する方法がある。まず、地場産業を付加価値の高い産業とするためには、陶磁器の生産拠点である土岐、瑞浪、笠原と、流通の拠点である多治見が合併し、個々の企業の戦略とは別に、地場産業としての共同戦略を構築する必要がある。

C 地場産業の活性化を進める一方、新市の22万住民の雇用を確保するために必要な産業規模を算定して、新産業の誘致を行う。

D 3市1町のもう一つの特徴は、都市基盤の整備、特に都市計画の遅れである。戦災に遭わなかったせいもあるが、土地区画整理が殆ど行われて来なかった。このため、現状に対応できる道路交通網が整備されておらず、密集住宅街や狭隘道路に車が溢れ、地区内至る所で交通渋滞が起っている。住民は危険と背中合わせの中で資源のロスや時間の浪費を強いられ、かつ生活環境が汚染されている。また、計画的な都市基盤の整備がされて来なかったために、市街地全体の美しさが生かされておらず、貴重な文化遺産に対する市民意識も低い。以上のような観点から都市基盤を整備することが緊急課題であるが、今後到来する少子高齢化社会に都市基盤を整備する財源の余裕がないとすれば、今回の合併は合併特例債によって都市基盤を整備するラスト・チャンスである。

4. 例として考えられる事業

資料に列記されている以外の主なものについて記述する。

(1)新市のための大学を創設する。

今後、新市がどのような都市を目指すのか、また地場産業の活性化や新産業の戦略を考えるシンクタンク、つまり22万住民のシンクタンクとして、大学を創設する。大学は既存の陶磁器研究機関を統廃合することで、機材と人材を有効に活用し、地場産業の後継者育成機関としても位置づける。セラミックパーク美濃はその付属機関として活用する。

(2)新市の戦略を立案する(できれば新市建設計画の中で立案する)。

@ 地場産業の現状分析とマーケッティング、および新産業誘致の検討を行う。

A 市民の雇用と税収、および新市財政規模拡大の検討を行う。

(3)都市基盤の整備を行う。

道路と住宅、および中心市街地整備を中心とした都市計画立案と土地区画整理事業を実施する。中央道、東海環状自動車道、JRやリニアー新幹線を想定し、都市間道路を基準として効果的な都市計画を立案する。

(4)教育の抜本的改革を行う。

義務教育の学校選択制、少人数学級、習熟度学級などの導入と充実を行い、民間の中高一貫教育を奨励する。

(5)行政の抜本的改革を行う。

@ 自治基本条例を制定する。

A NPOおよび住民自治組織との協働形態を整備し、活動を促進する。

B 近隣自治政府構想(小学校区単位で、地域で必要とされ地域住民で賄える行政サービスは身近な住民が提供し、地域の子育ては地域で行い、地域の高齢者福祉サービスは極力地域で供給)を促進する。

  C 住民を顧客と見立て、成果主義に基づくベンチマーク(行政指標)の作成と、それに基づく行政評価を行う。

以上 

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