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平成18年12月29日
市政トピックス(最新順)

 

<愛知県知事選挙マニフェスト型公開討論会の報告> ('06年12月)

 12月23日の夜、名古屋市鶴舞公園の市公会堂で表記討論会が開催されました。
これは、来年の2月4日に投開票が行われる知事選挙に立候補を表明した神田真秋・現知事と石田芳弘・前犬山市長が、 事前に公表されたマニフェストをもとにした討論会です。主催はローカル・マニフェスト推進ネットワーク東海などで、 参加者は約2,000人でした。内容は主催者が用意した7つの質問に対して、両候補者がそれぞれ3分間で答弁し、 その答弁に対し相手候補が質問し、答弁者は2分で回答する形式で行われましたが、中道議員の印象に残った点を抜粋します。
質問1: 候補者の基本政策を述べよ。
石田候補: 過去の知事選挙の投票率は30%程度で低い。実質的に県民に選択肢を与えておらず民主主義の危機だと思う。 現在の県政の対立軸を示す必要があるとの考えから立候補した。従来は国がリードして愛知県政を行ってきたが、 今後は愛知県がリードして日本のモデルを作り国をリードしたい。立ち位置を国から県へ変える。
神田候補: ありのままの神田を見ていただきたい。弁護士を13年、一宮市長を3期の途中まで、愛知県知事を2期務め、現在55歳だ。 最近、愛知県ほど注目された県はなかった。愛知万博やセントレアが注目され、愛知はとても元気だ。これらの仕事は県民の結集力と 総合力によるものだ。今後はこれらの力を継続して行きたい。
質問2: 産業振興と雇用の政策を述べよ。
神田候補: 基本的には商工農のバランスが取れた産業振興を行う。特に愛知はものづくりが大切である。@既存産業の高度化、 A企業誘致、B新しい産業の育成などの産業振興政策を考えている。
石田候補: 自動車などの4番バッター産業だけではなく、3番や5番バッターの産業が必要だ。それは医療やナノテクなどの産業ではないか。 また中小企業の技術開発への支援も大切だ。
質問3: 福祉政策を述べよ。
石田候補: 地方分権のなかで、国と市町村に挟まれた県の役割が不明確になっている。今後は介護施設に投資するのではなく、 専業主婦に投資して介護を在宅でやる覚悟を決める必要がある。
神田候補: 療養型病床方針の転換や障害者政策が自立支援法に変わったことは大変重要なことであり、これらは国と県が一緒になって手厚く 対処して行きたい。また少子化問題は避けて通ることができない課題であり、心の問題にも取り組みたい。
質問4: 人づくりの政策を述べよ。
神田候補: 基本的に様々なライフスタイルに合わせたものが良い。教育は発達度合いに応じた順番があり、その過程を飛ばしたり順番を 間違えるとダメだ。幼児教育では社会規範を身に付け、学校教育では基礎学力を大切に子どもの可能性を引き出すことが重要だ。 また、いじめや学力低下、不登校など多角的総合的に取り組む必要がある。
石田候補: 教育は最も重要だが議論はもう良い。実践が必要だ。フィンランドは達成感で学力を世界トップクラスにまで押し上げた。 大学を出口と考え、小中高大学が一貫性を持つことが重要であり、教師を大切にして良い授業を行いたい。
質問5: 持続可能な地域社会に必要な政策を述べよ。
石田候補: @愛知県だけでなく中部圏という視野が必要で、A万博の省エネ、省資源、緑のコンセプトや、B伝統や文化を大切にした まちづくりを行いたい。
神田候補: 環境は21世紀のキーワードである。環境をテーマにした万博は成功裏に終了したが、万博を始める前から環境戦略を立案していた。 いま大切なのはヨハネスバーグで合意された「環境学習」である。その心を深めるために学習センターを造る。
質問6: 自治体経営や地域経営の政策を述べよ。
神田候補: 犯罪が増加しており治安の回復を図りたい。また、東海沖地震や東南海地震への対策を行いたい。 これらは自主防犯組織や自主防災隊、またはNPOやボランティアと協働して行いたい。
石田候補: 市町村のために県があるという地域主権を取り戻したい。そのために県の自治基本条例を作りたい。 また有給のスタッフを雇用できるようなNPOを育てたい。そして行政とNPOが競争できるような状況を作りたい。
質問7: 今後の県の役割やあり方について述べよ。
石田候補: 地方分権の最終ゴールは道州制である。市町村合併で行政の枠組みが大きく変わり、大きな市では県が必要でなくなった。 このため、今後は県を再構築する必要がある。
神田候補: 知事就任当時は財政が赤字だったが、現在は地方交付税の不交付団体となった。しかし県債残高があり財政再建は道半ばだ。 地方分権は重要な時期に来ており、愛知県は積極的に道州制を進めて行きたい。
最後に県民に対するメッセージを述べよ
神田候補: 私は県民の謙虚さと真面目さを愛している。この間、愛知県は総合的にレベルアップした。さらなる発展のために、 最後までやり抜きたい。
石田候補: 国が崩壊することは教育と医療が崩壊することをソ連が教えてくれた。医療は現在を、教育は将来をダメにしてしまう。 教育と医療を再生するには地方が大切である。人口が減少する時代を迎えて、行政はこのままで立ち行かない。自治体はダウンサイジングを行い、 県民との協働で大きな行政を行う必要がある。

 

 

<いま「やきものの現在」が面白い> ('06年12月)

 12月17日、多治見市創造館のギャラリーヴォイスで「やきものの現在(いま)」と題するシンポジュームが開催されました。 このシンポジュームは第4回目で、過去のシンポは次の通りで、パネリストはいずれも出品作家です。
平成18年4月16日 テーマ「土から陶へ」 コーディネーター:金子賢治(東京国立近代美術館工芸課長)、 パネリスト:大原れいら、塩谷良太、中島晴美、中田ナオト
同年7月16日 テーマ「磁器のうつわ」 コーディネーター:榎本徹(岐阜県現代陶芸美術館館長)、 パネリスト:伊藤秀人、高橋和也、新里明士、若杉聖子
同年11月5日 テーマ「美濃の現在性」 コーディネーター:渡部誠一(岐阜県現代陶芸美術館学芸部長)、 パネリスト:酒井博司、鈴木徹、林恭助
同年12月17日 テーマ「現在のうつわ」 コーディネーター:唐沢昌宏(東京国立近代美術館主任研究員)、 パネリスト:安藤雅信、加藤委、長江重和、中島克子
 中道議員は7月16日を除く3つのシンポジュームに参加しました。印象に残った点を抜粋します。

4月16日シンポジューム「土から陶へ」

金子課長: 近代陶芸は工芸からオブジェへ進展している。工芸とは何か。ヨーロッパのクラフトは機械化されて工芸が根絶やしとなった。 日本では素材から自然にファインアートが出てきた。いま造形とは何かが求められているが、それは分類することが目的ではなく、 現場で感じることが大切である。現代の日本工芸は世界的なものになる可能性がある。
中島晴美: 焼きものを好きになった過程と美濃の陶芸にズレを感じている。機能を持たない焼き物があっても良いと考えていたが、 焼き物が持つ可能性のすばらしさを知って好きになった。土と会話しながら物を造って自分を追い込んで行くと、 自らが経験したことが次の仕事を作っていく。そうして焼き物は勝手に自分を超えて行く。具体的に何を造るのかは関係がない。 32年間、土と暮らして来たからこそ出せるもの、それを造りたい。
塩谷良太: 私は場合は一寸違う。クリップばかり造っている。その動機は分割焼成の難しさ、つまり大きなものと造るための分割焼成を 合わせることが面白いからだ。思い通りにならない過程、もがいている自分が面白い。
大原れいら: マーケットをイメージして造るが、目的通りにできない。まだ、土と付き合い始めた段階である。
中田ナオト: 作品をどうのように成立させるかが主で、焼き物は従と考えている。多摩美術大学では自分は何ができるのか、 土に期待しすぎていたところがある。出来上がったものにがっかりするが、出来たものから考える。

11月5日シンポジューム「美濃の現在性」

渡辺部長: 美濃焼とは何か。それは桃山陶の伝統を引き継いでいるものであったが多様化が進み、今では桃山陶はマジョリティとは 言えなくなった。焼き物の出荷額は2,000億円から1,300億円に減少したが、それでも国内のシェアーは美濃が6割、瀬戸が2割、 有田が1割であり、製品の種類としてはタイル、セラミックス、うつわの順に多い。パネラーには、焼き物に入ったきっかけと桃山陶を 選んだ動機について語って欲しい。
林恭助: 課外授業で中央道の窯発掘がきっかけで、陶器のかけらを集めた。土岐市の陶磁器試験所から伝統工芸館に入り、後に独立した。 加藤孝造さんの桃山陶が最高だと思っていた。桃山陶を忠実にコピーした黒織部を加藤孝造さんに見てもらったがダメだった。 そこで、黄瀬戸の油げ手を造り始めた。黄瀬戸の釉薬には荒川豊造の「流れる釉薬」と、加藤唐九郎の「流れない釉薬」がある。 流れない釉薬は事前に完成品が見えるが、流れる釉薬は掻き落としにより1回の焼成で様々な色が出せる。荒川は中に絵を書くな シルエットを大切にせよと教えた。今回は耀変天目を出品する予定だったが、良いものが出なかった。小さなものはできるが15cm以上の ものは難しい。小さい作品の中に、いかに自分を表現できるのか。できれば稲葉天目のようなきれいなものを造りたい。
酒井博司: 土岐市駄知の茶碗屋三代目の長男だが、家業が嫌だった。しかし加藤孝造さんの志野に感動した。多治見市の意匠研究所に入り、 ただ志野がやりたいために孝造さんに弟子入りをしたが無理だとわかった。中島晴美さんから作品を造れと言われたが、志野ができない。 カイラギを出すのに7年かかった。20〜30回に1度カイラギが出る。自分の満足と人の評価が異なり、ピンクの志野と青の志野で迷ったが、 自分のものを造ろうと決心し青でいくことを決めた。国際陶磁器フェスティバルで銀賞を受賞した作品は50個焼いたものの一つである。 この先、どのような作風になるのかわからないが、自分らしいものを目指して一生懸命に造って行きたい。
鈴木徹: 父は陶芸家の鈴木蔵だ。厳しい父なので焼き物が嫌いだった。しかし、この環境で焼き物をやらなければ損だと思った。 今までになかった織部、緑釉をやっている。今は流れをテーマにして櫛目の同心円を作っている。技法は河合寛治郎の泥掃け目で、 力強さの破格を表現するために軍手で掃け目を付けている。力強い作品を造って行きたいが美濃にこだわってはいない。 結果として、美濃の作家として評価させれば良いと思っている。

12月17日シンポジューム「現在のうつわ」

唐沢研究員: テーマはうつわとうつわの形をしたオブジェの中から現代の息吹を感じる8名の作品を選出した。
安藤雅信: 私は彫刻をやっていたが、ジャズが好きで聴いているうちに、西洋の物まねでない日本の芸術とは何かを考え、 多治見に戻ってきた。土をいじることが理屈抜きに楽しい時期があった。しかし自分の本質とは何かを考え始めた頃から、 頭でっかちとなってしまった。小さなものを大きく見せるために空間を取り入れたが、技術が不足しているために、 土と楽しく戯れることができなくなった。食器から離れたいという動機もあって、粘土の塊りをくり貫いた。陶芸は好きだが、 今は非陶芸的な要素で作品を造っており、完結しないが存在感のあるものを造りたい。使えるものは食器、使えないものはオブジェという 定義ではなく、自分を表現しているものがオブジェと呼びたい。
加藤委(つぶさ): 当初は土物のみをやっていた。ある時、ニュージランド・カオリンを使った磁器土に出会った。 白色と滑らかな肌合いに感激したが、ろくろが挽けず自信をなくした。そこで、土を知るために土の塊を千切って○△◆などの様々な 形の皿を作った。その後、存在感から空間を意識するようになったが、磁器土は合わせ目で切れるため、抹茶茶碗はろくろで挽いた。 器として使うことは意識しているが、造るときに料理は考えていない。オブジェの方が自分を出しやすいと思っている。 私が20%の余白を残す理由は、人に感動を与えたいため。全くの自己満足で完結したら相手が入り込む余地がなくなり、 心を揺さぶられるような感動を与えることができないからだ。
長江重和: 細長いものを作りたかった。従来は土で紐を造ったが、今は鋳込みで造っている。
中島克子: インテリアデザイナーを専攻し家具を作りたかったが、思うように職人さんが作ってくれないなど難しい面があった。 そこで、焼き物なら自分でデザインして造れるのではないかと思ったが、窯が小さく楽しくない。自分が楽しめるデザインをしたいが、 作品はどこかで社会と繋がっていたい。夫は使えるものではなく自分を表現せよと言うが、自分を表現することが恥ずかしい。 今回出品した「晴れの日の器」は使うことを想定していないが、自分を表現するだけではやって行けない。どこかに機能として使える部分を 残しておくと、安心して自由に楽しくものが造れる。空間を抱いているものは器と考えている。夫の水玉模様のオブジェも器だと考えている。
金子課長: うつわに関しては様々な考え方がある。主体と客体、鑑賞する側と造る側、様々な視点があるため、 まず自らのうつわの軸を固定する必要がある。焼き物の基本はうつわであるが、やはり自分の形を造ることが大切ではないか。

 

 

<平成18年12月議会の報告> ('06年12月)

 12月定例会が11月20日〜12月15日に開催され、主な内容は次の通りです。
@ 条例等の制改定 職員の公益通報(いわゆる内部告発)に関する条例が制定されました。条例の目的は公益通報職員の保護を図ることです。 職員は公益通報を市議会議長、市政監察員、第三者に対し行うことができ、対象範囲は市長部局、教育委員会等各種行政委員会、 病院事業管理者と市の全てに対してです。公益通報の調査は議長が市政監察員に指示し、市政観察員は議長と執行機関に結果の報告を行います。 調査結果に基づき執行機関が必要な措置を取らなかった時、監察員は自ら公表し、通報し、または告発することができます。公益通報によって 職員は不利益の取り扱いを受けません。市政監察員は2名の弁護士を議会に設置します。来年の4月1日から市の助役と収入役が廃止され、 副市長が1人となりました。幼稚園と保育園の一体的な運営を推進するため、幼稚園の所管を教育委員会から健康福祉部に移管する ことになりました。これに伴い未就学児童の教育と保育に関する調査研究事項と研修を教育研究所で行います。また幼稚園と保育園の 保護者負担に大きな差があり、その格差を是正するために幼稚園の保育料を改定することになりました。
A 補正予算等 平成17年度の一般会計と特別会計の決算が認定されました。平成17年度財政状況は両会計を合計した総額で、 実質単年度収支が4億8000万円の黒字となりました。財政改革指標である経常収支比率等の目標値もほぼ達成されました。 財政規模が小さいという面はありますが、市の財政は健全化したと考えられます。ただし、今後地方交付税等が削減されるため慎重な 財政運営が望まれています。その意味で、落札率が99%を超えるものが多く入札方法の検討が必要であり、ゴミ袋交換時の旧ゴミ袋が 約142万枚在庫として残っていたというような無駄を省く努力が必要です。
 補正予算では、笠原町のタイル村構想実現のために約14億円の基金が積み立てられました。また公民館新設の補助金、 子ども情報センターの施設整備、後期高齢者医療給付事業費、重度心身障害老人特別助成金、学童保育費、公園愛護会への補助金、 鉛対策として南が丘中学校のフェンス設置工事費などが計上されました。

 

 

<中道議員が市政報告を行う> ('06年12月)

 12月3日、中道議員は脇之島公民館で恒例となっている「市政報告」を行いました。主な内容は、中道議員が従来から主張してきた 政策を全市的かつ体系的にまとめたローカル・マニフェストの説明です。マニフェストはまだ素案の段階ですが「幸福都市たじみ宣言」と 名付けています。

「幸福都市たじみ宣言」

「多治見市は東濃地方の交通の要所、日本市場の約6割を占める陶磁器・タイル産業の生産力と技術力、4名の人間国宝を輩出した伝統と芸術性、 また虎渓山永保寺や神言修道院など、すばらしい郷土の財産を持っています。
  私たちは、これらの「多治見力」を有効に活用して、活気ある「たじみ」の再生を望みます。また一切のしがらみを廃して不正と腐敗を 防止しながら自治体を経営し、西寺市政の先進的な行政を継承発展させつつ、残された課題を解決するように期待します。 そして私たちは、少子高齢化社会と地方分権に適合する財政力豊かな、みんなが安心・安全、かつ快適に暮らせる「幸福都市たじみ」を 創生することを念願します。」

  そして中道議員は、市役所の使命は財政を豊かにして市民に配分し生活の満足度を高めることと定義し、多治見市の現状と課題については、 @多治見市が同規模の他市に比べて、財政力が小さく市民への行政サービスも少ない、A市民の不満が産業の振興や都市基盤の整備に対して 最も多く、Bこれらを改善するためには、市役所を地方分権時代に即して自立経営する必要があると主張しています。そのため、 中道議員の3期12年の学習と経験から、マニフェストの基本方針は、@行政サービスを向上して市民の不満の解消に努めるべきであり、 A明るく希望の持てる魅力ある多治見を創る必要があるとしています。
  その上で、具体的な政策として@財政を豊かにします、A市民満足度の向上を図ります、B魅力ある多治見市を創出します、 C地方分権時代の自治体経営を推進します、の4項目について、今後も全力をあげて活動を行なうことを宣言しました。
 約150名の市民は中道議員の説明に熱心に聞き入っていました。
なお、中道議員と支援者は「幸福都市たじみ宣言」を具現化するために、「幸福都市たじみを創る会」を設立することを合意しました。

 

 

<「これで良いのか!地方議会」 講演会開催> ('06年11月)

 11月14日、多治見市役所の全員協議会室で市議会主催の「地方分権講演会」が開催され、全市議会議員と多数の職員管理職が 参加しました。講演者は財団法人・東京市政調査会・理事長の西尾勝氏です。講演は地方分権・首都機能移転調査特別委員会が企画し、 講師の依頼は中道議員が8月末に横浜で行われた「自治体学会」の交流会でお願いし実現しました。以下、講演の主な内容について報告します。
 「安倍政権の誕生で地方分権が進展するのかと不安に思っているが、今日は議会に的を絞って話をする。最近地方議会が信頼を 失いかねない事件が発生しているが、当事者の議会側には危機感がない。例えば住民投票の否決、合併時の在任特例適用、自治体の放漫経営、 大阪市の職員優遇措置、奈良市の欠勤職員への給与支払い、岐阜県の裏金問題、福島・和歌山・宮崎の県知事の談合疑惑などなど。 これらの不祥事に対し、議会はチェック機能が働いていないのではないか、議会と首長が癒着しているのではないか、などの疑いがかけられている。 一方、四日市市の自治基本条例や栗山町の議会基本条例のように、議会が主導権を取って条例を制定するような先駆的な議会が出現している。 これらの状況から、地方議会制度を抜本的に改革する時期が来たのではないかと思う。
 今回の地方自治法改正では、@議員が複数の常任委員会に所属できるようにした、A委員会が条例を提案することができるようにした、 B議会の要請に応じて専門委員が集まり会合ができるようにした、C臨時議会の召集権を議長に与えるなどの改正をしたが、細分化や 断片的な改革が多く、今後抜本的な改革を行う必要がある。
 次に議員の活動について述べる。議員個人の政治活動と議会での政治活動があるが、一般に議員個人の活動は住民個人の苦情や要望に 対する仲介が多く、その行為の多くはルールを無視して特別扱いを求めている行為であり執行権の侵害にあたる。本来議会の役割はルールを作る、 もしくは変えることであり、それに専念すべきだ。議員の定数や報酬等の自らの利害に関する事柄は、議会だけでなく第3者を入れて決めた方が良い。 また議員報酬は諸外国に比べて高いように思う。少なくとも人口が3千人以下の自治体は議員の報酬を賄えないはずである。 さらに根本的な問題は選挙制度である。議員は住民の代表であり素人であることが大切である。普通のサラリーマンが議員になれるような、 また女性をもっと増やす制度改革が必要だ。選挙に立候補するために会社を辞めなければならない制度は変える必要がある。
 次に議会での政治活動だが、今の議会は重要な案件がなく審議するものがない制度となっている。国の法令密度が厳しすぎて、条例が自由に 作れる法体系になっておらず議会側にやり甲斐が起こらない制度だ。このため法令密度を緩和して、議会が自由に条例ルールを作れるように する必要がある。」
 この西尾氏の講演の後、質疑応答が行われました。中道議員は、@議会の役割はルール作りか、それとも論点・争点の明確化か、 A議員の審議能力、監視能力、政策立案能力を高めるために専門性が必要ではないか、B法令密度の緩和は二元代表制にどのように影響するのか、 との質問を文書で行いました。しかし他にも質問書が20通もあり、西尾理事長は@の質問に対してだけ、次のように回答しました。 「行政の仕事を計画化して行くと政治家の出番がなくなる。このため政治家は計画する際のルール作りに専念するのが良いと思う。」

 

 

<2つのマニフェスト大会に出席> ('06年11月)

 11月10日、東京の毎日ホールで、ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟が主催する地方議会政策コンテストの 「第1回マニフェスト大賞」表彰式が開催されました。当日は全国の各議長を含む地方議員を中心に約200名が参加しました。 今回のコンテストは議会や会派のローカル・マニフェストを競うもので、全国の県議会、市議会、町議会から136団体、 221件の応募がありました。受賞した議会や会派はさすがに先駆的な試みを行ったところばかりで、次の通りです。 グランプリは岩手県議会、最優秀会派賞は葉山町議会・新葉クラブ、最優秀議会賞は栗山町議会、最優秀アイディア賞は 国分寺市議会と藤沢市議会などが受賞されました。なお、中道議員は連盟の一員として参加しましたが、 個人部門がないのでコンテストには応募しませんでした。しかし、マニフェストの形式に様々なものがあることが分かり 大変参考になったようです。
 11月19日、東京の早稲田大学で、「第3回ローカル・マニフェスト検証大会」が開催されました。大会は2003年の 選挙で当選された知事や市区長のマニフェストを検証し、マニフェスト・サイクルの最終評価のあり方を検討しようとするものです。 当日は最新事例報告、市区長のマニフェスト検証、県知事のマニフェスト検証がそれぞれ行われました。中道議員が各マニフェストを比較し、 最も抽象的なマニフェストが中島興世・恵庭市長の「子どものしあわせが広がるまち」で、最も精緻で総合計画に近いマニフェストが 西寺雅也・多治見市長のマニフェストだということが分かったと感想を述べています。
 ここで、マニフェストの定義を体系的な政策で予算と期限を明示した政権公約であるとすると、前者はとてもマニフェストに適合せず、 後者は理想的なマニフェストと言うことができます。しかし集まった学者の間では、前者は「市民に感動を与えるマニフェストである」と 評価が高く、後者は「とても新人の候補者が作成するのは困難であろう」という声が多数を占めていました。
 中道議員は、新人候補者が国の地方交付税や各種事務事業の国庫補助負担金の動向や情報を得ることが難しく、 また法定受託事務と自治体独自の自治事務の識別が困難な現状では、マニフェストで予算や期限を明示することは困難である。 このため、選挙で争うマニフェストは、地方自治法の「総合計画」より上位の「構想」のレベルが良いのではないかと考えています。

 

 

<中道議員が後援会事務所を開設> ('06年10月)

 10月22日、中道議員は全市的な活動を行うため、駅前のながせ商店街の一店舗に後援会事務所を開設しました。事務所開所式では、 21年間生やし続けたカストロ髭を剃り、ローカル・マニフェストの素案を公表しました。
 髭を剃った動機は、地域代表の市議会議員から全市的な政治家になろうと決意したからだそうです。長年連れ添った髭に愛着はありましたが、 11.7千人の様々な意見を受け入れる態勢を整えるために決断したようです。祝福に駆けつけた約100名の市民からは、「若くなった」 「優しくなった」などの感想が聞かれました。
 ローカル・マニフェストの素案は、この1年間、中道議員が構想して来たものをまとめたもので、今後市民の意見を盛り込みながら成熟度を高め、 より良いものして行きたいとしています。皆様のご意見をお寄せ下さい。

〒507−0033
なかみち育夫後援会事務所
多治見市本町2−1−5 大下ビル1F−A

 (旧ユニーと学びパークの一方通行の通りで、富士アイスの左隣です)
TEL&FAX 0572−24−5155
E−mail:nakamiti@silver.plala.or.jp
URL:http://www.ikuo-n.jp

 

 

<北海道・栗山町議会を視察> ('06年10月)

 10月16,17日、北海道庁と栗山町議会を視察しました。北海道庁の視察目的は現在国の地方制度調査会で議論されている 「道州制」について学ぶことです。栗山町議会の視察目的は日本で初めて「議会基本条例」が制定されましたが、その内容の理解です。 ここでは後者の議会基本条例についてご紹介します。
 条例制定の目的は、「二元代表制の一翼である議会は、多人数による合議制の機関であり、その責務は自治体事務の立案、決定、 執行、評価での論点、争点を広く住民に明らかにすることである。このため、自由闊達な討議をとおして論点、争点を発見し、 公開することが議会の第一の使命である。」
 具体的には、論点や争点を明らかにするために、一問一答方式や執行機関への反問権付与、政策意志決定過程の説明責任、 重要計画の議決必要性、議員相互の自由討議、住民と議員が意見交換する一般会議の設置、議会事務局の体制整備 (当面は執行機関の職員を併任)などを条文化しています。
 栗山町議会基本条例はかなり先駆的な条例であり、当日も他自治体の視察者が多数参加していました。しかし条例施行が 本年5月と新しいため、細部の規則・要綱については今後策定するとのことでした。

 

 

<西寺市長が引退表明>('06年9月)

 西寺市長は、9月29日突然記者会見を開き、来年4月の任期満了に伴い政治から引退と表明されました。西寺市長は平成7年に 市長に当選されて以来、自らの任期を約10年と考えておられたようで、初心に従われたようです。市民の大半は市長を続投されると 予測していましたので、西寺市長の引退表明は政財界に大きな波紋を投げ掛けると共に、来年の多治見市長選挙に大きな影響を与える ことになりました。
 中道議員は、西寺市政の功績は@職員の使命や価値観を国中心から市民中心に変えた、A行政を条例や総合計画に基づく計画的なものに 変えた、B財政を健全化した、などであると考えています。また、市議会議員を5期20年、市長を3期12年、合計32年間を多治見市の 市政に携わって来られました政治家としての西寺さんに対し、心から感謝と敬意を表したいと述べています。

 

 

<平成18年9月議会の報告> ('06年9月)

 9月定例会は9月1日〜同27日に開催されました。主な内容は次の通りです。
1.条例等の制改定
(1)市政基本条例は全員一致で可決成立
3月議会で廃案となった自治体基本条例は、議会側の意見を考慮し「市政基本条例」と名称と内容を変更して再提案されました。 市政基本条例は特別委員会を設置して審査され、特別委員会において全員一致で可決され、本会議においても全員一致で可決されました。
 主な変更点は次の通りです。
@ 条例の名称が「自治体基本条例」から「市政基本条例」に変わった。
A 条例の構成は総合計画を第3編第3章とし、市政の主体を第2編として入れ替えた。
B 選挙の項目では、市長と議員の政策を公表することを削除した。
C 市長の服務の宣誓が削除された。
D 市民参加の時期では「予算を編成する」が削除され、「事業を選択するとき」となった。
E 総合計画では、議会の議決事項を基本構想のみとし基本計画を削除した。
F 法務原則では、「日本国憲法と法令を市の責任において解釈し」の条文から「日本国憲法」を削除した。
G 市民投票では、「市民や議会と市長は、市民投票の実施を決定することができます」を削除した。
H 武力紛争への対処は全て削除した。
I 条例の改正では、議決要件を削除した。
(2)来年の市議会議員選挙の議員定数は24名と決定
 本年1月の区長会で、ある区長から中道前議長に「来年の市議会議員定数を大幅に削減して欲しい」との要望が出されました。 これを受け中道前議長は2月24日に各派代表者会議を招集し、原則として毎月1回の頻度でこの問題を検討し、本年9月末までには 結論を出して市民に公表することを決定しました。その後3月の区長会において、区長会長から中道前議長に「市議会議員の定数を 24とすること等」の要望書が提出されました。
 この問題を引き継いだ市原現議長は、鋭意各派代表者会議を開催して議論を重ねました。会議での議論は、旧笠原町との合併で在任特例を 採用したからには、次の選挙の定数は従前の24名に戻すべきだという意見が大勢を占めましたが、議会の合意が得られませんでした。
 結論は9月議会の最終日にまで持ち越され、公明党から議員発議という方法で「2名増員」の条例変更の提案が行われました。 表決では「2名増員」に賛成の議員は、全議員35名中の5名だったため議員発議は否決されました。この結果、多治見市議会の来年の 市議会議員選挙の定数は24名と確定しました。
(3)障害者自立支援条例が制定されました。
 国の障害者自立支援法に基づき、本年10月から多治見市が実施する地域生活支援事業の枠組みと事業について条例が制定されました。 障害者に対する介護給付費等の決定を行う「障害程度区分判定審査会委員」の定数は10名です。実施する事業は相談支援、 コミュニケーション支援、生活用具給付等、移動支援、地域活動支援センター、訪問入浴サービス、知的障害者職親支援、日中一時支援、 生活サポート、社会参加支援などです。
2.補正予算等
 水道事業決算の認定が行われました。事業は有収率が若干減少したものの7.600万円の純利益を計上し、黒字決算は3年連続となりました。 病院事業会計決算の認定が行われました。平成16年度に策定した「市民病院経営健全化計画」に基づき鋭意努力を行いましたが6000万円の 赤字を計上し、累積赤字は21億円を超えることになりました。これは入院患者が増加したものの外来患者が減少したためです。 今後は人件費率の低下と医師1人当たりの年間診療収入を高める必要があります。補正予算は、障害者自立支援法の施行に基づき、 地域生活支援事業費、障害福祉総合システム拡張事業、身体障害者日常生活用具給付等事業費、地域活動支援センターU型移行事業などの 予算が増額されました。また知的障害者グループホームや後期高齢者医療広域連合設立のための予算が計上されました。

 

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