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最終処分場と人事院勧告に対する反対討論 参考資料


 私は、今議会に提案された議案の内、認第三号と、議第80号、93号、94号、95号、96号、97号の反対討論を行います。 まず、認第3号 平成9年度多治見市一般会計歳入歳出決算でありますが、この決算には、衛生費の清掃施設建設改良費の中に、次期最終処分場の用地測量費1769万円が含まれているため、認められません。 何故ならば、用地測量は、平成5年3月に作成された、「適地調査」の結果に基づいて行われており、この適地調査には、重大な欠陥があるからであります。

 次に、議第80号は、多治見市職員の給与に関する条例の、一部改正であります。また、議第93号、94号、95号、96号、及び97号は、議第80号の条例改正に伴う、一般会計と、特別会計の補正予算でありますので、全て一括し、反対の討論を行います。 今回の職員給与の条例改正は、国家公務員の給与が改定されたことに伴い、本市職員の給与を、人事院勧告通りに、引き上げようとするものであります。この改定により、一般職の給与改定率は0.75%と算定されています。 しかし、昨今の不景気により、民間は年間所得が減少しており、地方公共団体においても、税収の減少と財政の悪化により、人事院勧告を凍結するところが増加しています。 例えば、経済企画庁は、雇用者所得が前年同月比で2.1%のマイナスであったことを、また、東海総合研究所や岐阜商工会議所は、平成10年度の50才のモデル賃金が、前年度よりも1.14%低下したことを、発表しています。 さらに、岐阜新聞は、冬のボーナスが民間企業の約6割で、前年実績を下回ったことを、東海銀行は、年収の低下により、約5割の人が貯蓄率を下げており、しかも、日経連は、来年の春闘でベアゼロの方針を発表しています。 一方、地方自治体も、財政の悪化に伴い、茨城、埼玉、神奈川、愛知、滋賀、大阪、岡山、福岡、熊本の9府県が、人事院勧告を凍結し、東京都も完全実施は難しく、他の自治体も、何らかの方法で、人件費の縮減策を、実施するようであります。 このような情勢の下で、財政緊急事態宣言を発し、財政を健全化するために、市民の協力と理解を得なければならない多治見市が、人事院勧告の完全実施を行うことは、市民感情として、受け入れ難いものがあります。 本来、人事院勧告は、国家公務員のストライキ権を奪う代償として、経済が右肩上がりの時代に、民間給与との格差是正のために、導入されたものであります。民間との格差是正は、全国の従業員が100人以上の、企業給与を参考に行われますが、これでは地方の賃金特性や、100人未満の企業給与が考慮されていません。また、人事院勧告は4月の1ヶ月の給与を基準に行われるため、景気に左右され易いボーナスが考慮されていません。 そして、人事院勧告は、自治体の財政と無関係に算出されるため、自治体がどんなに財政難に陥っても、マイナスが勧告されることはないと、自治省の給与課が、自ら報告しています。 したがって、全体に給与水準が低い地方にあって、中小企業の多い都市が、不景気に見舞われた場合、その都市の民間企業の年収と、市職員の年収は、予想外の格差が生じることになります。 実際に、労働省が発表した岐阜県下の中小企業の年収と、多治見市職員の年収を比較すると、一般質問でも述べましたように、企業規模と年齢階級に応じて、市職員の方が民間の年収に比べて、1.0倍から1.9倍、平均で1.5倍、額にして、6万から390万、平均で205万円ほど、多いのであります。 人事院勧告が、民間との格差が5%以上になった時、発令しなければならないと義務付けられていることを考慮すると、この格差は容認できない、異常なものであります。 そもそも、地方自治体の職員給与が、自治体の支払い能力、すなわち財政状態に関係なく、決定されるシステムに問題があります。また、市民の税収でもって、市民へのサービスを行うはずの、市職員の給与が、市民の給与と大幅に乖離していれば、職員と市民が、価値観と感情を共有できないのは、当然であります。 市の財政が逼迫し、財政を健全化するために、市が、市民の協力を求めるのであれば、市職員も民間の痛みを、分かち合うべきであります。 よって、私は、この度の、人事院勧告に基づく条例の改正と、一連の補正予算案に反対いたします。

 なお、私は、地方分権の時代を迎え、今後、地域間競争が激化すると予想される中で、多治見市が、多治見市の状況に相応しい、職員給与を決定するために、何らかの調査研究機関の設置を、要望いたします。

 以上で、私の討論を終わります。 

 
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